手続き型のチャットボットをENOKIで作ってみた

はじめに

企業がサービスサイトやヘルプデスク問い合わせサイトなどでお客様からの質問や問い合わせを受け付けるためのチャットボットを提供しているのを最近よく目にしますね。

「問い合わせ対応でチャットボットを構築する。」と一言で言っても、当社の経験上問い合わせ対応は2種類に大別できることがわかっています。イメージで伝えるとすると「ピラミッド型問い合わせタイプ」と「ろうと型問い合わせタイプ」とでも言いましょうか。この種類をよく理解した上でチャットボットツールを選択しないと、導入後に「チャットで思っていた通りの動作ができない」「チャットを導入したのに全然活用してもらえない」というような事態に陥る可能性が非常に高くなります。まずは上記の問い合わせタイプごと説明をしていきます。

ピラミッド型問い合わせタイプ

条件分岐によって回答が変わる問い合わせタイプです。

選ばれる条件によって動的に回答が変わるため、準備する回答分の道筋(シナリオ)が必要になります。このタイプの問い合わせの場合、機械学習型のチャットボットは不得手としています。

ろうと型問い合わせタイプ

問い合わせたい質問を一意に絞り込むために不足した情報を補っていく問い合わせタイプです。

前に入力した糸を引き継ぎながら、情報を補っていくため、質問のカテゴリを大→小へ細分化して一つの質問に絞り込んでいくことが必要になります。このタイプの問い合わせの場合、補う情報がどこまで必要になるかは入力の精度によって変わるため、必ず道筋が最初から必要になるシナリオ型のチャットボットは不得手になります。

当社が提供しているENOKIは「ろうと型問い合わせタイプ」に強いですが、「ピラミッド型問い合わせタイプ」のチャットボットをENOKIを使って作ってみようと思います。

データ準備

どんなデータが良いかなと思いを巡らせます。時期的なことを考え(記事作成時:3月上旬)一般的によくある確定申告の要否を判断するフローでチャットを作ってみようと思います。フローとしては以下のような部分を抜粋します。

ENOKIで作ると上のフローはこんな感じです。Excelでもフローは作れます。

手続き型ボットの動作確認

さて、早速動作を確認してみます。全パターン確認してもよいのですが、ページが長くなってしまうので何パターンか抽出します。

  • 350万円の年金を受給している場合
  • △△株式会社に勤務(年末調整も実施済)し、副業で100万円の収入がある場合

できました!

おわりに

上記のようなピラミッド型問い合わせタイプで代表とされる手続き型のチャットボットはシナリオ型のチャットボットツールを活用すればお手頃な価格のものでも問題なく作成できます。しかしながら、マーケティングやアップセルを目的とした場合、顧客の生の声を反映させたいと感じるケースが多々存在します。シナリオ型のチャットボットは、選択して、選択してとボタン選択が続くので、どちらかというとチャットボットを提供しているサービスサイト側の思惑から外れるような入力はできません。その点、機械学習型のチャットボットや当社が提供しているオントロジー型のチャットボットなどは顧客の自由な入力を許容していますので、最初はお客様の入力した内容に対して準備できていないケースも数多くあります。しかし、機械学習型のチャットボットやオントロジー型のチャットボットは育成してナンボですので、日々メンテナンスをしていくことでどんどん賢くなっていきます。認識できなかったり、顧客の意図と異なる回答が出るたびにデータを追加したり同義語を設定したりするメンテナンス作業を繰り返していく中で、「顧客はこういうことを求めている」というようなサービス向上のヒントや「このお客様には追加でフォローが必要だな」というような顧客満足度向上のヒントが見つかったりと、チャットボットの利用の活用性が広がります。つまりチャットボットの成長が企業が提供するシステムやサービスの成長に繋がるわけです。

また、最初は手続き系のデータでしかチャットボットを利用していない場合でも、顧客と接する一つのチャネルになりますのでチャットボットで問い合わせを回答したり、顧客にマッチする商品の提案を行ったり将来的に活用を広げたくなると思います。そのときに別のサイトに目的に応じたチャットボットを準備することも可能です。でも、顧客がアッチ行って、コッチ行ってとなると離脱率が高くなるリスクもあがります。これではせっかくチャットボットを準備しても意味がありません。一つのチャットボットの中で、問い合わせや手続き、アンケートや申請などオールインワンで活用できるチャットボットを選ぶべきだと筆者は思う今日このごろです。