チャットボット ~ 無料トライアルの落とし穴~

企業様が自社にチャットボットを導入される際に必ず実施されるのが「無料トライアル」です。実際にチャットボットを運用していく中で

  • どうやってデータを追加するのか。
  • どうやって処理の流れを設定するのか。
  • どうやってチャットボットで得られたデータを活用するのか。

をイメージするためには、無料トライアルの実施は必要なプロセスだと思います。ですが、十分に実施されているでしょうか?

当社でも「無料トライアル」の枠を設け、ご依頼いただいた企業様に自由に利用できる環境を提供させていただいておりますが、トライアル実施後に「◯◯◯(当社以外のツール)と精度が変わらないので、このまま〇〇○を利用します。」や「ここまでの機能は不要なので、もっとシンプルなツールを検討します。」といった声をよくいただきます。もちろん十分に検証された上でこういった結論を出される企業様もいらっしゃいますが、「本当に十分に検証していただけたんだろうか・・・」と心配してしまう企業様も少なからずいらっしゃるのが現状です。こういったお客様は無料トライアルの落とし穴にハマってしまっている可能性もあると思いますので、今後チャットボットの導入を検討され、無料トライアルを実施される企業様はご一読いただき、参考にしていただければ幸いです。


無料トライアルで陥りがちな落とし穴としては、大きく2つです。

初期データのみで精度を検証してしまう。

企業様が最初に準備したデータだけでチャットボットから該当する回答が返ってくるのかどうかという点にフォーカスしてチャットボットを選定してしまうケースです。当社の経験上、どんなチャットボットでトライアルを実施したとしても、企業様から最初に提供されるサンプルデータであればそこそこの精度を出すことは可能です。これは、決してサンプルデータが悪いわけではありません。

精度の検証チェックポイントをここに設定してしまうのが問題なのです。

実際にチャットボットに投入したいデータは、少なくともサンプルデータの10倍はあるでしょう。しかも、チャットボットリリース後には当初企業様で想定していた使われ方とは異なり、状況に応じて新規でデータを追加したり、修正したりする必要がでてきます。このときのメンテナンス性がどれだけ容易でどれだけ精度を上げることができるか、ここにチェックポイントを置いていない企業様が非常に多いです。このメンテナンスを企業様で実施する、チャットボットベンダーに委託するなど手段はどちらでもよいのですが、かかる工数が大きければ大きいほど時間とコストが必要になってしまい、何のためにチャットボットを導入したのかわからない本末転倒な話になってしまうのです。

データ追加の際に、別カテゴリのデータを追加して検証してしまう。

既にチャットボットを導入経験のある企業様の場合は、上記のような落とし穴に陥ることをご理解されていますので、もう一歩進んだ検証を実施されますが、その後に潜む落とし穴を見落としがちです。かかる工数が大きくなるのかを確認するためにデータを追加したあとの精度の上げ方を検証されるのですが、別カテゴリのデータを追加してしまう企業様もいらっしゃいます。例えば、申請フローの初期データを設定していたのに、追加するデータは問い合わせフローのデータを追加してしまうといったケースです。しかしながら、本来確認しなければならない追加データは

同カテゴリに属するデータを追加すべきなのです。

別カテゴリのデータを追加してしまうと、フローの流れも別なのでデータ追加した場合のかかる工数は「そんなにかからない」と誤解しがちです。しかし、同カテゴリを追加する場合はどうでしょうか。上記の例であれば、申請フローが経費申請フローであった場合は会議室予約申請フローのようなものを追加すべきだと考えます。同じ申請フローをどう制御するのかを検証しなければ本当の意味でデータを追加した場合の検証を実施したということにはならないのです。この問題を解決する手法は各チャットボットツールごとに異なりますので、この部分を見極めてチャットボットを選定しないと、データメンテナンスの工数に大きく影響を及ぼすことになります。


いかがでしたでしょうか?

無料トライアルを実施される企業様は、この落とし穴に陥らないよう無料トライアルの期間にしっかり検証を行っていただければ「実際に運用してみたらチャットボットを活用してもらえなかった。」や「実際に運用してみたらチャットボットのメンテナンスが大変だった。」といった後悔をされることは少なくなります。

当社「ENOKI」は1ヶ月間の無料トライアルが可能です。この記事を読んでご興味をもっていただけた企業様はお問い合わせからご連絡ください。